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2024年のnote、1年を振り返って - note CTO振り返りコラム

CTOの @konpyu です。今年もあっという間に師走ですね。個人的には『ハンターハンター』の連載再開に感涙しました。内容の濃さと(相変わらずの)文字の多さに圧倒されつつも感動しています。

さて、2024年のnoteでは創作の輪を広げるためにさまざまな挑戦を行いました。今年の取り組みを振り返りながら、来年の展望を考えていきたいと思います。

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noteのカイゼンと機能アップデート

CtoCプラットフォームの成長

まずは、基盤サービスとして重要なnoteのプラットフォームに関して。今年は大規模データとトラフィックを扱うサービスとして基礎性能や安心・安全、効率性をあげることに注力してきました。

SEO改善に注力した結果、検索エンジンからの流入が大きく伸び、noteが届く機会が増えました。APIのボトルネックを注意深く潰したり、ミドルウェアのアップデートを成功させることで表示速度の改善が達成できました。また、リコメンド機能の精度アップも機械学習のエンジンから見直して(実質)再構築し、最適な記事を届けられる頻度が高まりました。

その結果、2024年はデータ量やトラフィックが過去最大だったにもかかわらず、ここ数年でもっともシステム全体としては安定しており、かつ高パフォーマンスで推移しました。個人的にこれはかなり嬉しいポイント...!

noteのような一定規模以上大きくなったプラットフォームほど、このような(見た目には一見わかりにくい)基礎性能の向上が求められると認識していますので、来年以降も注力していきます。

note購入機能の拡充

2024年にリリースした機能の大きなテーマとして「noteを購入する機能や手段の拡充」があります。

1月には「noteポイント」がリリース。キャンペーンなどの還元施策を打ち出すことが可能になり、さらにiOS/Androidアプリからも手軽に記事を購入できるようになりました。また、期間限定販売をサポートする「タイムセール機能」もリリース。加えて、クレジットカード以外の支払いを希望するユーザの声に応え、PayPal決済を導入しました。これにより、海外からの利用もよりスムーズになりました。

これからも、クリエイターの方々に多様な販売手法を試す機会を提供したり、ユーザーが多様な課金手段を安心して使えるようにしていくことが重要だと考えています。来年以降も拡充を企画していますので楽しみにお待ちください!

nAc(note AI creative)の立ち上げとAIへの取り組み

nAcの立ち上げ

2023年12月、生成AIをテーマに新たな事業・価値創出を目指す子会社「note AI creative」を立ち上げました。社内でのAI利活用を加速させるハブとしての活動からスタートし、現在はそれらのサービスとしての展開を企画しています。

生成AIを軸とした特命組織は当時は類例が乏しく、立ち上げには手探り感がありましたが、生成AIで既存業務が圧倒的に効率化されることは見えていたので、手がけるユースケースと経験値が増えていけば自然と実績は出てくるとは思っていました。そこで、メンバーには相談をnote社内から広く受け付け、爆速で打ち返す(やや食い気味で)ことで社内信頼値を得ることを意識してもらいました。

詳しい内容はkenzoさんのこちらのnoteに詳しく書かれています↓

2024年後半以降、基盤モデルの性能やマルチモーダル性が一段と増しました。最近はo1 pro modeのような推論モデル(Reasoning Model)の圧倒的な賢さ(と高さ)に驚いた方も多いと思います。一方で、全体的なAPIコストは大幅に低下しており大規模に適用する下地ができつつあります。noteのシステム上での生成AIへの大規模な適用もいくつかトライしており、一定の成果を確認できています。

来年も外部環境が激しく動くと思いますが、変化をいち早くキャッチしサービスや社内への適用を試し、新しい価値創造に繋げていきたいと思います

新しい執行役員の誕生

社内組織としては、今年新たに執行役員が誕生しました。三原さんはクリエイターとのリレーションを担当し、多様な企画を回してきた頼れる古株(似顔絵を描きました)。重山さんは上場審査や機能開発、新規事業、nAcなど多くの開発系プロジェクトで一緒にマネジメントをやってきた頼れる相棒です。いや〜感慨深い!

社外での活動などその他のトピック

テクニカルディレクションアワードの審査員

第1回テクニカルディレクションアワードで審査員を務めさせていただきました。人様の作品を「審査」するのは初めてやった体験なので新鮮でした。本当に多様な応募作があり、統一した審査観点を揃える難しさはありましたが、受賞者やメディア、成果展示会の反応も非常によく初回としては大成功だったと思います。アワードは継続することに意味があるのでお声がかかるならまた来年も審査にかかってみたい所です。

RubyKaigiで沖縄へ

今年4月には沖縄へ行き「RubyKaigi」に参加しました。技術情報のインプットもさることながら、沖縄の文化や美味しい料理を満喫できて最高でした。オンラインでは得られないリアルな交流の大切さを改めて感じる機会になりました。来年の松山も楽しみです。

創作大賞2024

毎年恒例となった「創作大賞」ですが、2024年も大盛況で終えることができました。ご参加いただいたクリエイターの皆さん、本当にありがとうございました!  今年も授賞式やパーティで受賞者の皆さんとご挨拶できて嬉しかったです。

北海道の全道立学校256校がnoteを開設

北海道教育委員会と連携協定を結び全道立学校256校のnoteがオープンしたのも嬉しいトピックです。僕は高校まで北海道にいたので母校のnoteが爆誕してるのをみてテンションがあがりました。先行する岩手県の協定では運用が大成功している事例も多くあり実績もあるので、母校のnoteが広報やDXに役立ってくれると非常に嬉しいです

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最後に

今年も、多くの新しい挑戦と、社内外での素晴らしい出会いに恵まれたことに感謝しています。来年も、技術や組織のアップデートを通じて、クリエイターやユーザの皆様がより楽しく活躍できるように努めていきたいです。引き続き、ご支援・ご意見いただけますと幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。2025年もどうぞよろしくお願いいたします!


今 雄一(こん ゆういち)
1985年北海道生まれ。千葉大学大学院工学研究科修了後、ディー・エヌ・エーにてソーシャルゲームのサーバーサイド開発業務と運用を経験。2013年9月にnote入社、2016年1月にCTO就任。noteの立ち上げから関わり、インフラからフロントエンドまで幅広く対応。2023年12月よりnote AI creative株式会社のCEOも務める。


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