見出し画像

SEO改善でクリック数2倍、クロール時間を1/30にした話

Stabilityチームリーダーの高橋 元です。

私はStabilityチームとしてシステム稼働の安定性向上に務める傍らで、約1年ほど前からSEOチームとしても兼任で改善を続けてきました。

Similarwebの検索トラフィック(下記記事より引用)

SEOチームは2人だけの少数チームですが、1年の改善を続けたことで流入数が上がり、クリック数も約2倍まで伸ばすことができました。

2倍と聞くと大きな改善をしたと思われるかもしれませんが、やってきたのはSEO対策として当たり前のことばかりです。

  • クローラーに認識されていない機能の洗い出し

  • クロールバジェットの最適化

  • サイトマップの作成ロジック最適化

    • 計測してインデックスされる速度の改善

  • その他、不具合対応多数

    • 外部サービスへの埋め込みをサービスごとに修正

    • 参照元の洗い出し

    • etc…

SEO改善の難しいところは、狙ってできるわけではないという点です。上記を他サービスで行ったからといって、必ず改善される見込みがあるわけではありません。

SEOはGoogleのロジック次第になってしまう部分があるため、むしろコアアップデートによってやってきたことがマイナスになる可能性もあります。狙って改善ができない部分が多々あるのです。

また、SEO改善は開発だけではなく最終的には、「良いコンテンツを集める」ことが重要です。

ありがたいことにnoteには良いコンテンツがどんどん増えているので、その面は心配ありません。我々、SEOチームではそんな良いコンテンツがインデックスされやすくなるように、テクニカルSEOの面で改善を続けています。

SEOチームの成り立ち

SEO開発に取り組み始めたのは、バグ修正がきっかけでした。

一部のページで記事リンクがうまく動作していない箇所があり、それを修正しているときに、「こういった細かいバグを修正していけば、SEOも良くなるんじゃないか?」と思ったんです。

そこから自分のチームの作業をしつつ、少しずつSEOに関わりそうなバグ修正や改善を行っていくことにしました。目標があったわけではなく、SEO的に良くなさそうなところを見つけたら直していく感じです。修正を継続していくと、予想どおり少しずつ数値があがっていきました。

チームとして動き出したのは約1年前です。期が変わるタイミングで、会社としてSEOチームをつくることが決まりました。地道に改善を続けてきて数値があがったからこそ、チーム発足にまで至ったのかなと思っています。

計測では「下がった数値」を見る

noteのSEOチームでは、ビュー数よりもクリック数を重視して計測しています。最終的な結果として結びつくので、重めに見ています。ただし、クリック数をあげるための施策を多く行っているわけではなく、「結果としてあがったらいいな」くらいの気持ちです。

計測では数値が上がったことよりも、下がらないかどうかを確認しています。マイナスに働く施策がでてきたときに、急いで修正ができるように計測しているイメージです。

また、1つの施策をリリースしたら、1週間ぐらいは様子を見るようにしています。複数の改善を行うと、どの影響で数値が上下したのかわからなくなってしまうためです。明らかに悪い部分はすぐに修正をいれますが、地道に時間をかけて改善しています。

機能を出してすぐに反響や影響があるわけではないのがSEOの難しい部分です。やはり狙って改善ができない難しい分野です。

Googleにクロールされる時間を1/30に

noteで記事を公開されたあとにGoogleにインデックスされる速度にかなりのばらつきがありました。早い記事では10分ほどでインデックスされるのですが、遅い記事だと数時間かかる場合もありました。Googleのクローラーの実行時間にかなり左右されていたのです。

そこで、サイトマップのロジック改善を行い、基準を満たした記事(Google次第ですが)であれば早いもので数十分ほどでクロールされるようになりました。数時間かかっていたものもあるため、時間は1/30ほどになりました。

計測は以下のような流れで、少しずつ進めています。

  • 公開された記事を1時間ごとにすべてスプシに記録

  • 公開された記事がインデックスされた時間を記録

SEOは計測と改善の繰り返しです。地道にPDCAを回していくのが一番の近道かなと思っています。

ただし、クロールされても検索結果にすぐに載るわけではないので、このあたりはまだまだ調査が必要だと感じています。

SEO改善に終わりはない

Googleのコアアップデートやキーワード制限によって、アクセス数がガタッと落ちてしまうこともあると思います。noteはコンテンツが集まるプラットフォームなので、キーワードに対しては対策のしようがありません。地道にテクニカルSEOを続けるしかありません。

改善を1年続けてきて難しいと感じたのは、SEOの一般的な知識やセオリーが通用しないケースが多々ある点です。他社での成功事例を真似してみても、noteだと数値が下がるようなケースがあります。逆に、セオリーではないことを取り入れてみると数値が一気にあがることもあるのです。

また、SEO改善は1つのチームで完遂できることではありません。noteの場合は、フロントエンドの刷新でNext.jsに移行をして表示速度があがったこともSEOに影響しています。速度だけではなく、細かいバグ修正がSEO向上につながることもよくあります。全社でサービスを改善し続けてこそ、改善されれていくことなのです。

良質なコンテンツを増やしつつ、バグ修正やパフォーマンス改善などを続けていけば数値はあがっていくはずです。サービスとして当たり前の改善を地道にやっていくのが一番の近道だと思っています。SEOだけを狙ってやるのではなく、あくまで複合的な改善として見据えていくのがいいのかなと思います。

▼noteの技術記事がもっと読みたい方はこちら


※ この記事は、インタビューをもとにライターが再編集した内容になります