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QA歴19年のエンジニアが振り返るキャリアと役割 - noteエンジニア社員インタビュー

「開発者全員が品質を意識できる組織を作り上げる」

noteにQA文化を根付かせることを目標に掲げ、基盤構築に取り組んでいるのが、QAエンジニアとして19年のキャリアを持つ田中宏幸さんです。

新卒でテスターからスタートし、サイバーエージェントやDMMなどで「品質とは何か」を追求したのち、2024年にnote株式会社に入社。「技術以上にユーザーの感情や感覚を理解することが重要」というユーザーファーストの信念で、キャリアを歩んできました。

そんなQAエンジニアとしての19年のキャリアとQAについての考えを、今回お聞きしました。

プロフィール

田中宏幸
1983年広島生まれ。金沢工業大学人間情報工学科卒業。サイバーエージェントにてSNS、ゲーム、メディアなどのQA業務を経験した後、ネクソン、DMMを経て、2024年11月にnote入社。noteではQA組織/文化の再構築に邁進しつつ、品質に関わることなら幅広く対応。

noteでの現在の業務

QAエンジニアの田中宏幸です。新卒からずっとQA業務を担当してきて、今年でキャリアは19年目になりました。noteには2024年11月に入社しました。

QA(品質保証)と聞くと、どうしてもテスターのような業務をイメージされる方が多いかと思います。しかし、本来の使命は、サービスの品質が求めるレベルに到達するよう、プロセスを設計したり改善したりすることがメインとなります。

また、noteではQAだけでなく、開発された機能や施策の品質状態を確認し、リリース可能かどうかを判断するQC(品質管理)の業務も並行して行っています。

現状のnoteでは、QAの基盤がまだ整備されていない状態です。(2025年1月現在)「何もない状態から仕組みを作り上げる」ことは、たとえるなら大きな家を一から建てていくような感覚で、とてもやりがいがあります。「noteの品質とはどんなものか」を開発チームと一緒に考え、定義づけしながら構築していくところにおもしろさを感じています。

印象的だったのは、入社1ヶ月目で担当した「Amazon Payによる購入機能のリリース」です。このプロジェクトを通して、チームメンバーのnoteに対する深い理解に驚かされました。「noteのクリエイターなら、こう使うだろう」というユーザー視点の意見が自然に周りからでていました。また、QAに対するフィードバックも積極的で、入社してすぐに開発に対して信頼感ができました。

私の今までの経験から、「売れているサービス」や「伸びているサービス」の開発チームは、そのサービスを使い倒している印象があります。逆に、QAメンバーだけがサービスの仕様を熟知している状況は、あまり健全ではないと思っています。

noteではプロダクトに対する深い理解を感じたため、自分も一緒に「もっと良いものを作り上げたい」という気持ちが高まりましたね。入社して間もないながらも、良いサービスをみんなで作っていけると確信できました。

QAエンジニアとしてのキャリア

QAエンジニアとして19年間働いてきましたが、実は最初からこの道を目指していたわけではありません。

高校時代からプログラミングに触れていて、大学でも情報系を専攻していました。そのため、自分でも「コードを書いて開発をするのが自然な進路だろう」と思っていたんですが、最初に入社した会社での担当がテスター職だったんですね(笑)。これが、私のキャリアのスタートラインでした。

当時はQA業務のことを、「テストをするだけの単純な仕事なのでは?」と思っていたのですが、それが大きな誤解だったことにすぐ気づきました。仕様書がない中で、第三者の視点から仕様を定義し、開発にフィードバックを行いながらサービスを作り上げていく。そんなプロセスに少しずつ楽しさを見出すようになったんです。

その後、サイバーエージェントに入社し、自社プロダクトを持つ会社でQA業務を初めて経験しました。単純な「テスト業務」の枠を超え、「品質とは何か」を定義して、それを組織に根付かせていくという役割を求められました。「プロダクトの品質を支える仕事」の本質を知ったのも、この時期です。チーム内の雰囲気も非常に良く、QAエンジニアとして成長できた重要な経験になりました

その後はネクソンに転職し、ゲームプロダクトのQA業務に携わりました。ゲームでは「どこが面白いと思えるのか」「ユーザーにとってどんな体験が魅力となるのか」といった観点を深掘りしながら、プランナーや開発者と議論を重ね、その感覚を追求していくことが特に重要でした。取り組んだプロダクトがGoogle PlayやApple Storeのランキングで上位に入ったときは、モチベーションをさらに高めてくれましたね。

そして、ネクソンのあとにDMMに転職しました。自動化などの技術面での課題を感じていたため、それを補うための業務に取り組むことにしたんです。

QAエンジニアの役割は、プロダクトを良い方向へと導くファシリテーター

QAエンジニアとして働き始めた頃は、「QAエンジニア」や「SETエンジニア(Software Engineer in Test)」といった明確な役割分担がそれほど浸透していませんでした。

だからこそ、自動テストの実装からテスト計画の策定、仕組みの構築まで、一人ひとりが幅広く業務を担当していました。その経験を通じて、自分のスキルセットが大きく広がったのかなと思います。

キャリアの全体を振り返ると、「テスト一筋」とも見えますが、実際には毎回異なるテーマに挑みながら、スキルの幅を広げ、知識を深めてきました。QAの仕事は思っている以上に幅広く、学ぶことや挑戦する余地が多いんだと改めて実感しますね。

QAエンジニアには、特定の技術や専門知識だけではなく、開発全体やサービスの方向性、さらにはユーザーのニーズを踏まえて、調整力を発揮することが求められると考えています。ユーザーが満足できる品質を、最小限のコストでいかに素早く提供できるか。そのバランスを慎重に見極めることが、この職種の重要な役割だと思います。

突き詰める専門家というよりは、チーム全体をうまく調整し、プロダクトを円滑にリリースへと導くことが役割だと考えています。この点が、ソフトウェアエンジニアとはまた少し異なる特性であり、QAという職種の魅力の一つですね。

noteに入社した理由

noteを選んだ理由は、「クリエイター目線」や「ユーザーに近い視点」で開発をしている会社だと感じたからです。

これまでサイバーエージェントやDMMなどで携わったプロダクトでも、ユーザーの感情や感覚に寄り添うことが、プロダクトの成長にとって重要だと実感してきました。その体験を通じて、「ユーザー理解」を中心に据えることの大切さを学びました。そして、その考え方がまさにnoteのミッションに合致していたことが、入社の決定打でしたね。

転職を検討するとき、「技術力が高い」ことも重要です。ただ、それ以上に大切なのは、ユーザーの考えや感情を的確に捉え、それをプロダクトに反映させる力だと思っています。たとえ技術が優れていても、ユーザーの感覚を理解できていないプロダクトは、大きなリスクがあると考えているからです。

noteで実際に働いてみると、クリエイターのことを理解して、プロダクトに反映している姿をよく見かけます。そういった点からも、入社前と入社後のギャップはほとんどありませんでした。

noteでの今後の目標

QAや品質に関する意識を、開発チーム全体に浸透させ、最終的には「開発者全員が品質を意識できる組織」を作り上げることが私の目標です。

最近、任天堂のQAに関する記事を読んだのですが、それに近いレベルまでnoteの品質管理体制を高めたいと考えています。「任天堂すごい」と同じ感覚で、「noteのQAはすごい」と言ってもらえる組織を目指したいですね。

それを実現するために、短期的な目標として、品質の具体的な指標を明確に定め、チーム全員が同じ目線で追いかけられる仕組みを作ることが課題です。そのうえで、noteというプロダクトの品質基準をさらに引き上げ、ユーザー満足度を高めるサービスを提供していきたいと考えています。

QAエンジニアとして働くうえで一番のモチベーションは、自分が関わったサービスが具体的な成果を上げる瞬間です。プロダクトを通じて売上が上がったり、ユーザー認知が広がったり、アクティブユーザー数が増えたりといった反響が見えると、やはりうれしいですね。

noteでも品質保証や品質管理の枠にとどまらず、開発チームの一員として主体的に貢献したいと思っています。自分が携わったプロダクトが、多くの方々の日常に浸透し、使われ続ける存在になるようにしていきたいです。

QAチームは0から始まったばかりなので、一緒に挑戦してみたいと思った方は、以下よりぜひ応募いただければと思います。


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