生成AIで議事録が60分→2分。96%工数削減した自動生成ツールの紹介
こんにちは、note AI creative(以下、nAc)の田中です。
nAcとして今までさまざまな社内の業務改善に取り組んできましたが、中でも「議事録作成業務」は負担の大きい業務の1つでした。
セールス・カスタマーサクセスなど顧客と対面する部署では特に議事録作成は重要な業務として頻繁に発生しますが、1回あたり最大60分かかっており改善の余地がありました。
nAcが作成した生成AIのソリューションを使うことで、作業量が96%も削減され、60分の作業が2分で終わるようになりました。
この記事では、議事録作成を自動化するために作成したソリューションとその効果について紹介します。
議事録作成効率化の歴史
議事録作成業務の効率化を目指し、まずは「tl;dv」というツールを導入してテストを行いました。
tl;dvは非常に機能が豊富で当初魅力的だと考えていましたが、出力された議事録の精度は期待したレベルではありませんでした。具体的には、会議後半の内容が含まれなかったり、プロンプトで指示してもその通りの出力にならないなどの課題がありました。
次に、Zoomの文字起こし機能を利用し、その文字起こしデータをChatGPT Teamプランに入力してまとめる方法を試しました。手順は以下の記事に記載しています。
この方法では一定の効果は得られましたが、2つの課題がありました。
1つ目の課題は、入力上限問題です。ChatGPTのチャット画面で入力できる文字数には上限があり、一時間の会議の文字起こしを入れるとエラーになってしまいます。そのため、文字起こしを分割するなどの対応が必要になり、結果的に手間が増えてしまいました。
2つ目の課題は、ツールをまたぐ問題です。Zoomの文字起こしをZoomのウェブポータルからダウンロードし、それをChatGPTのチャット画面に入れるなど、複数のツールを使って作業する必要があり、結果的に時間がかかってしまっていました。
業務の負担を減らすためには、別アプローチが必要だと考えました。
議事録作成ツールの紹介
上記の課題を踏まえ、議事録作成に特化したツールを開発しました。
Zoom会議でクラウドレコーディングさえしておけば、画面左側に一覧表示され、ワンクリックで議事録生成が開始します。
プロンプトは、セレクトボックスから選択できるUIにして都度入力不要にしています。
業務ごとで作成したい議事録のフォーマット・内容は異なるため、「セールス用」「カスタマーサクセス用」といった形で事前に用意したプロンプトを選択するだけで実行できるようにしています。
また、出力された結果に対して追加でプロンプトを実行できるため、必要な情報が不足している場合でも柔軟に対応可能です。
モデルについては、GPT-4oよりも日本語の読解力・文章力が優れているため、Claude APIを呼び出せるようにしました。
セールスやカスタマーサクセスチームからのフィードバックでも、Claudeの精度の高さが確認されており、GPT-4oよりも質の高い議事録の作成が実現できています。
議事録作成ツールの導入効果と展開
nAcが提供するツールの中でも、議事録作成ツールは最も深く活用されているツールの一つとなっていて、ほぼ毎日利用されています。
社員全員が集まる全体会で、note proチーム(セールスとカスタマーサクセス)からAI活用の状況と議事録作成ツールについて紹介されました。
特にサクセスチームにおいては、議事録作成にかけていた工数が約96%削減できたとのことです。
note proチームは以前から様々な業務でAI活用を進めていたため、AIリテラシーが高く、議事録ツールも展開してすぐに活用を開始してくれていました。
ツールはそれを使いこなす人がいてこそ意味があるので、note proチームのようなリテラシーの高い社員がいて活発に使ってくれたことはnAcとしても嬉しい限りでした。
全体会の発表では、以下のような嬉しいお言葉も頂きました.. 🙂
全体会での発表をきっかけにproチーム以外でも利用できる状態に調整をしてnote全社員が使える状態にしました。
今後も必要に応じてツール化を試みながら、「AIによる創作のバリューチェーンの革新」を推し進めていこうと思います。
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