技術系の協賛イベントにデザイナーは連れていくべき
技術広報のmegayaです。
これまでいくつかのエンジニア協賛イベントでnoteとしてブース出展をしてきました。手探りの中で、自分たちなりに「noteらしい」ブースを作ってきた自信がありました。
しかし、2024年のRubyKaigiで初めて自社のデザイナーが同行してもらったことで、私の考えが甘かったことを痛感しました。
これまで私がブースづくりを「まあ、これでいいか」「このくらいでいいだろう」という曖昧な基準で続けてきたということを初めて思い知ったのです。
2024年の圧倒的な美。軍隊のようなキレイな整列。デザイナー is God。
もう一度、2023年の写真を見てもらえればわかると思いますが、付箋が貼ってあったり、額縁が外に向いていたり、色味がバラバラだったり……と統一感がまったくありません。
もちろんブースのグッズ制作などはデザイナーに今までもお願いしてきましたが、あくまで現地で設計をするのは私でした。2024年で初めて現地までデザイナーが来てくれたことで、大幅に改良されることになったのです。
2023年まで現地でのブースづくりをエンジニアだけで行ってきました。そのため、判断基準が曖昧で、「かなり良いものができた」と自己満足になっていた部分があり、デザインの指標や設計基準が我々には欠けていたのです。
そんな中、黒船来航の如くデザイナーがブースに参加してくれたことで、状況は劇的に変わりました。技術系のエンジニアブースにはデザイナーの視点が必要だと強く感じました。
もしまだデザイナーがブース設営に関わっていないのであれば、少なくとも1回は同行してもらうことをお勧めします。
▲kimさんのデザインシステムの記事はこちら
また、これはイベント後にデザイナーチームに聞いた話なのですが、去年まで現地に行けなかったのは「リソース不足による妥協点」でもあったようです。それが今年リソースを投下できるフェーズになり、RubyKaigiなどにも現地参加できるようになったのです。ありがたい話だ。
ではここから、技術系の協賛ブースにデザイナーを連れていくメリットや気付きを6つ紹介したいと思います。
1. ブースが圧倒的に進化
左右を比べると一目瞭然ですが、立体感がまったく違います。遠くからでもブースに何があるのかすぐに把握できるようになりました。さらに、ボードやパーカーの高さをきちんと揃えることで、均等な美しさが生まれています。
実は、ブースを準備しているときにkimさんが「パーカーの高さが微妙に違う」とこだわっているのを見て、「そんな細かいこと気にするの?」と心の中で思っていました。
しかし、本当に細かい部分までこだわることで美しさが生まれるのだと実感しました。神は細部に宿る。悔い改めます、アーメン。
2.細かな配慮
今回、ノベルティグッズとしてパーカーを用意したのですが、ディスプレイの仕方にもこだわりがあります。↑の写真を見てもらうとわかると思いますが、胸や袖、トートバックのロゴがすべて見えるようになっているのです。美。
しかし、それだけではありません。
はじめは袖の部分を安全ピンで止めていたのですが、「ピンが見えるのは美しくない」ということで、途中で黒の糸で手縫いまでしてくれたのです。神は細部に宿るどころの話ではありません、ブースにいるデザイナーこそ神でした。
3.迅速な対応
イベントブースに専任のデザイナーがいることで、細かい調整が瞬時に行えるようになりました。たとえば、「チラシのここにQRコードを入れたい」などの要望も、その場で対応可能となり、全体のクオリティが保持されました。
こういったPOPもイベント中に何度も変更してもらいました。印刷所まで行って、紙の選定までしてくれたのです。紙の神。
また、今まではこういったデザイン系の問題が起きると、誰のボールなのかハッキリしていないところがありました。問題が発生したときにデザイナーに任せることができることで、我々はブース対応に集中することができたのも大きな利点でした。
4.エコーチェンバー的な現象に陥っていた?
デザイナーの参加によって、私たちはエンジニアだけの世界で完結したエコーチェンバー的な現象に陥っていたことに気づかされました。
「noteっぽいよね」という曖昧な指標で運営していたことを思い知らされました。デザイナーの視点が入ることで、今までとは違う発想やアイディア、ブランドルールを学ぶことができたのです。
5.エンジニア以外を巻き込むことの大切さ
この経験を通じて、エンジニア以外のスタッフもイベントに巻き込むことの重要性を感じました。デザイナーが参加することで、他部署の人々にも協賛イベントの意義が伝わりやすくなり、社内での協力が得やすくなると考えています。
エンジニアコミュニティの熱量や支援する意義などは、他部署には伝わりにくいものがあります。しかし、現地に来てもらって肌で感じることで、「協賛してコミュニティを盛り上げていこう」という仲間を増やしていくことが大切です。
noteとしては、これからはエンジニアやデザイナーに限らず、他部署のメンバーも同行できるような方向で調整できればいいなと考えています。
6. 開発言語を全社員に浸透させて、会社としてコミュニティに還元する
さらに、この経験を通じて、Rubyという開発言語を全社員に浸透させることの重要性を再認識しました。技術的な開発を教えるわけではなく、自社サービスがどのような言語を使っているのか、どんな人たちが言語を開発しているのかなど、少しでも知ってもらう機会を増やすべきだと感じています。
全社員がRubyの文化やその魅力を理解することで、社内の一体感が増し、サービスへの愛着が深まると思います。これにより、Rubyコミュニティ全体をもっと支援していく土壌が整っていくと考えています。
まとめ
デザイナーに同行してもらったことで、ブースの進化だけでなく、多くの新たな気づきを得ることができました。今後もエンジニアだけでなく、他部署のメンバーにも積極的にイベントに参加してもらうことで、開発コミュニティへの応援を全社員でしていけるような環境にできればいいなと考えています。
色々と書きましたが、デザイナーのkimさんが「楽しかった」と言ってくれたのがなによりもうれしかったです。「デザイナーを連れて行くと便利」などという考えにはならないように、「一緒に楽しむ」「コミュニティを好きになってもらう」という気持ちを忘れず、これからも協力していければいいなと思っています。
ちなみに、この記事をレビューしてもらう際にも、「ブースのパーカーの写真にシワが出てしまっているので、こっちを使ってください」と修正してもらったり、kimさんが自らサムネを作って提案をしてくれたりしました。ブースだけじゃなくて記事にも細部は宿る。デザイナー is God。
▼この記事は登壇内容を再編集した内容になります
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